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天のプラタナス

  • 今村透
  • 2023年5月1日
  • 読了時間: 2分

弱小校の浜鹿高校に入学した投手志望の一人の少年

彼が中学時代所属していたチームはシニアリーグの全国大会チームではあった


しかし、小学生の集団に混じっても違和感がないといってもいいほどに小柄な体躯と

彼自身の性格のせいもあり補欠しかもバッティングピッチャーでしか無かった。


にも関わらず彼は野球名門校と呼ばれる多くの高校から引く手あまただった。


バッティングピッチャーとして、、、。

彼には補欠でありながら同世代や学生野球に携わる野球人たちによく知られた通り名がある。

「ドクターピーマン」

バッティングピッチャーとしてひたすらチームの為に投げまくるからピッチャーマンそれを略してピーマン

どれほどスランプに陥っている打者でも復調させるからドクター


ピーマンに足してドクターピーマンである。

なんとも失礼なあだ名だ。


ドクターピーマンから脱却するため

少年はバッティングピッチャーとしてしか自分を求めない強豪ではなく敢えて弱小校へと進学した。


ドクターピーマン、、、どんな打者も好調にする


口で言うのは易くとも実現するには各打者個人のスイングの良し悪しを見極める観察眼


好不調の要因を突き詰めどこにどんな球を投げどう打たせれば改善するかを導き出す思考力


あらゆる球種を球速1キロ単位でどんなコースにもボール1つ単位で投げ分けられる制球力


延々と投げ続ける根気と集中力とスタミナ


全て兼ね備えていなければ不可能な恐るべき所業である。


少年が培い続けた力は、野球は素人な女監督のもとで花開く。







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