BUNGO―ブンゴ―
- 今村透
- 2023年9月25日
- 読了時間: 2分
このままではネクラで友達のいない人生を送っていつか性犯罪で捕まっちゃう
せめて外で身体を動かす趣味を見つけて欲しい
休日は家に引きこもり朝から晩まで一日中ずーっと金魚を眺めてる2歳年下の弟のことが心配になった石浜かをりは父に相談した
父は弟に野球用のグローブとボールを買いキャッチボールをした
初めてのキャッチボールで父に褒められた弟は見事外に出た、外には出た
かをりと弟の通う小学校の地区には少年野球のクラブがない
となりの地区にあることはあるのだが同じ小学校に一緒に野球をする相手のいない弟は自宅庭の塀に壁当てをつづけた
時間も季節も天気も関係なく、台風の夜でさえ壁当てを続けた、3年もの間ずっと
自分なりの創意工夫を繰り返しいい投球の研究をし続けた
3年の間に父も取れないボールを投げられるようになっていたと気づいた弟は
力試しをしたくなった。打者相手に投げてみたい
そんな時に出会ったのがリトル日本代表の天才打者・野田幸雄
敵うはずもない勝負ではあったが弟の執着の対象は野田幸雄となり弟は野田幸雄のストーカー(つきまとい)になった
姉の不安は正しかった中学生となった弟は
野田幸雄を倒すため野田幸雄の所属する静央シニアに入る
そして弟は知ってしまった勝負の緊張感を、野球の面白さを、全国トップチームのエースの凄みを
かをりの心配は尽きない
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