ダンジョンの中のひと

凄腕のシーフだった父がダンジョンに消えて3年

その背中を追いかける娘もまた凄腕のシーフとなり

冒険者ギルドの公式記録で最深到達点階数地下七階のとあるダンジョンを単独で地下9階に辿り着いた

生還した者のいない階層での強大な敵との最初の戦闘

硬い装甲と重い戦斧を軽々と振り回し投げ飛ばすパワー

一瞬の気の緩みが命取り

気の抜けない戦闘が続くと思われたがモンスターが投げ飛ばした戦斧がダンジョンの壁を壊したことで状況は一変する

「うへマジか」

今までしゃべる事なかったモンスターが殺気をおさめ流暢に喋りだし「すぐ責任者来るから」とのたまう

その直後感じた目の前にいるモンスターを超える強さを持つ者の気配に冷や汗を流すが

現れたのはとても強そうには見えないのんびりした感じの少女

女シーフは混乱した頭でいろいろ考えたあげくダンジョンを管理しているという少女(？)の誘いに乗るのであった＿＿

〝中のひと〟にしか分からない裏事情、悩み、努力というものはどこにだって存在するものらしい

ジワジワ来ます