変な家
- 今村透
- 2024年3月11日
- 読了時間: 1分
二階の奥まった場所にあって不便な上に窓のない子供部屋
ひと一人通り抜けられそうな幅があるのに壁に囲まれて出入りできない謎の空間
元は太陽光を避けたい
いくつかの要因が重なったことで数部屋分の配管や配線をそこに通さざるをえなくなってそれを壁で隠したせいで産まれた空間だとか
そういう事情が偶然にも重なって世にも奇妙な間取りの家が生まれたのかもしれない
しかし見れば見るほどに不気味な間取り
ただの偶然で済ませていいものなのかと思わせる不気味さがある
この不気味な家の購入を検討し内見した夫婦は明るく開放的な内装を気に入りながらも奇妙な間取りが気になった
そこで夫はオカルト専門のフリーライターに相談した
建築の専門家ではなくオカルトの専門家に相談したのは男が表面的な明るさの裏に得体のしれないおぞましさを感じたからだろうか
そしてその話を聞いて同じく不気味さを感じたフリーライターは変な家の正体を追いかけ始める
かつてこの変な家で悍ましい事件が起きていたかもしれないという妄想に過ぎなかったはずの推測がじりじりと現実味を増していく
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