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マリエル・クララックの婚約

  • 今村透
  • 2022年5月30日
  • 読了時間: 1分

クララック子爵家令嬢マリエル


彼女は一見地味である


地味で大人しく目立たないために彼女の顔を覚えているものは少ない


しかし、彼女の本性は地味ではない


大人しくもない


趣味は読書と妄想


趣味がこうじて彼女は執筆するようになるロマンス小説家という裏の顔を持つ


ロマンス小説家からすると貴族が集う社交の場はネタの宝物庫


そしてマリエル自身が令嬢


となればやることは一つ


ネタ集め


誰もが羨む美男美女カップルも、貧乏令嬢のシンデレラストーリーも、不貞の噂も、痴情のもつれによるドロ沼も、嫉妬にかられた令嬢からの嫌がらせも


すべてがマリエルのネタになり萌えの供給源


たとえマリエル自身が嫌がらせされようとも家族や自分に実害がないのであればむしろ萌える


どんと来い


そんなマリエルが求婚される


まるで王子様のような王子様の近衛騎士シメオンに


地味なマリエルが令嬢憧れのシメオンと婚約したものだからもちろんやっかみを受ける


そのやっかみにへこたれるどころか喜ぶ始末


被害者が被害を受けて喜んでいるのだからシメオンも助けに入りにくい


一筋縄ではいかぬマリエル、頑張れシメオン様





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